~近隣対策・近隣対応上必要な情報を記載いたします~
金銭をもらえるという誤解と錯覚
『日影になれば、保証金をとれる』
『工事をやる以上、近隣は迷惑を受けるので当然いくらかもらえる』
このような誤解と錯覚をもち、強気でいる近隣住民側は、建築側に対して多種多様な要求を行ないます。
なぜ近隣紛争が起きるのだろうか考えたとき、近隣住民側の誤解であったり錯覚であったりすることが一つの原因です。
たとえば住民側の、
■「日影ができれば補償をとれる」という錯覚
①今までなかった日影ができれば日照権侵害である。
②日影ができれば補償は当然もらえる。
③建築工事をすれば近隣は迷惑を受けるのであるから、当然、建築側は金を出すべきである。
近隣対策を行なう場合、このような近隣住民側の錯覚を、まずは取り除いた上で交渉する必要があります。
近隣住民が「ゴネれば補償をもらえる」と信じているうちは、要望が多種多様になり和解は難しいでしょう。
■受忍限度についての誤解
「受忍限度を超えない日照阻害・工事騒音などについては、建築側は法律上の責任を負わない」というのが大前提です。
それにもかかわらず、近隣住民側はわずかの日照阻害や工事騒音を理由に、「当然、金はもらえる」と思い込んでいます。
受忍限度という言葉は知っていても、ほとんど気にしていません。
それを説明すると、「私は一時間の日影でも我慢できない」などと言います。しかし、受忍限度というのは、
その人にとって我慢できるかどうかの問題ではなく、我慢すべきであるか否かという問題です。
「日影になれば、補償金をとれる」、「工事をやる以上、当然いくらかもらえる」などの近隣住民側の誤解・錯覚であることを認識して頂く必要があります。
何十年も前にマンション建設に反対することにより、不動産会社が近隣住民に金銭の支払いをしていたことは事実です。
近隣住民が反対すると行政が建築確認を認めず、マンションを建設できず、泣き寝入り的に不動産会社が近隣住民に金銭を支払っていました。声をあげた人が金銭を取得し、声をあげない無い人は金銭を取得できないというのは不合理です。また、建築基準法当の法律を各自が遵守したうえで建築計画をしているのにも関わらず、行政が認めないことは理屈が通りません。このような状況を改善するために、1994年に行政手続法が制定されました。趣旨は「行政は決められた手続きを決められた通りに遂行しないといけない」ということです。この法律の施行により、周辺住民が反対をしても確認申請は認められるようになりました。このような状況の変化をうけ、現在、不動産会社が周辺住民に合理的な理由なく金銭を支払うことはほぼなくなっています。
「何十年も前のマンション建設の際に近くの人が金銭を取得できたから、今回も私は金銭をもらえるだろう」と思っている近隣住民の方もいらっしゃいます。その際は上記記載内容を説明するとご理解いただけることがほとんどです。
近隣対応事例紹介
今まで実施してきた近隣対応の具体例を載せさせて頂きます。
金銭をもらえるという誤解と錯覚