~近隣対策・近隣対応上必要な情報を記載いたします~
工事妨害はどこまで許されるか
近隣住民側はこう信じています。自分の儲けのために周辺住民を犠牲にしようとしたマンション会社という『悪』に反対運動を起こしたのだから、負けるはずはない!
ところが……… 工事妨害で2,600万円の損害賠償を命じられた事例。
東京・大塚のあるマンション建設の計画を知った近隣住民側は、建設会社の車両が入り込めないよう、路上(私道)に鉄パイプを打ち込むなど、徹底的な妨害行為を開始しました。困った会社側は、鉄パイプ撤去、通行妨害禁止の仮処分を、東京地方裁判所に申請して、その決定を得ました。しかし、近隣住民側がこの仮処分決定を無視して執拗に工事妨害を続けたため、会社はマンション建設をあきらめて、その土地を売却していまいました。ところが、マンション会社はこのまま「泣き寝入り」せず、近隣住民側たちを
相手取って損害賠償請求の訴訟を起こしました。
●結果→住民側の敗訴 合計【2,568万円】余りの賠償を命ぜられる。
(東京地方裁判所・昭和52年5月10日判決)。
近隣住民側が、建築工事に反対すること自体は自由です。そして、裁判上・裁判外の反対闘争をすることも自由です。
しかし、反対闘争が被害の内容・程度、反対運動の内容・方法・程度、その他当該の具体的事情から見て、社会通念上許される範囲を超えれば、民法第709条の不法行為になります。今までの判例での違法とされる行為を、具体的に列挙していきます。
【違法とされる行為】
東京高等裁判所・昭和49年4月30日判決
東京地方裁判所・昭和52年5月10日判決
東京高等裁判所・昭和50年4月22日判決
①事実を歪曲したり、建築主の体面を不当に汚す内容の立看板・プラカードを立てたり、同様のビラを配布、
あるいは貼り出すこと
②「建築するなら、たたき壊す」、「殺してやる」、「月夜の晩だけではない」、「暴力団に頼んで何とかしてもらう」
などの脅迫を行なうこと
③敷地入り口などにスクラムを組んで座り込むこと
④敷地周辺の道路に有刺鉄線を張り巡らせること
⑤敷地前の私道に乗用車やトラックを並べて、工事用車両の進入を妨害すること
⑥敷地にいたる道路に鉄パイプなどを打設して、工事用の車両の進入を妨害すること
⑦工事用車両の到着のたびに、道路交通違反を理由にパトカーを呼んで、嫌がらせをすること
近隣対応事例紹介
今まで実施してきた近隣対応の具体例を載せさせて頂きます。
工事妨害はどこまで許されるか