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交渉における論理力の必要性
交渉、とりわけ紛争の交渉においては、論理は極めて重要です。紛争においては、相手の非を責め合い、自己の理を主張し合うものであるため、非がどちらにあるか、理がどちらにあるか、という論理的な問題が焦点になるからです。
よく交渉ごとにおいて、相手を論理で攻めるのは有害であるといわれています。しかし、紛争の交渉においては、争いの対象となった事柄について、相手が自己の主張が正しいことを論理的に主張してきた場合、それに対して反論出来なければ、その交渉は最初から負けになります。
特に建築紛争においては、近隣住民側は、自己の被害を理由にして、
①建物を建てるな ②階高を減らせ ③補償金を支払え
等々、実に多くの要求をしてきます。
これに対して、何も論理的に反論しないのでは、近隣住民側は建築側が自分の非を認めたものと見なし、要求をますます強くしてくるでしょう。そうならないためには、論理的にきちんと反論することが必要です。
日照、通風、眺望の阻害、工事、騒音などの建築公害について、お互いにある程度は我慢すべきであること、多くの場合は、迷惑料を支払う必要などないこと、について論理的にきちんと反論しなければなりません。
但し、交渉ごとにおいては、たとえ紛争の交渉でも、論理で攻め立てることに専念し、相手をぐうの音も出ない状態に追い込むのは間違いであり、時には危険でさえあります。交渉の目的は出来る限り有利な合意を成立させることであって、相手を論破することではないからです。
あまりに論理で追い詰めると、相手は意地になって、反対のための反対をするようになります。こうなると合意の成立など期待出来なくなってしまうからです。
論理で攻める目的は、相手の主張が間違いであることや要求が過度であることを相手に認識させ、その要求を引っ込ませて、こちらに有利な合意を成立させることです。従って、相手の論理をよく聞き、認めるべき論理は認め、且つ、言い方も内容も当然反発を買わないように柔らかく、しかし、こちらの主張は十分に伝えるというやり方でなければなりません。
近隣対応事例紹介
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交渉における論理力の必要性