近隣対応事例紹介

今まで実施してきた近隣対応の具体例を載せさせて頂きます。

なぜ近隣紛争は起きるのか
詳細
~近隣対策・近隣対応上必要な情報を記載いたします~

近隣担当者と行政の苦悩 ~中高層条例・指導要綱~
たとえ権利がなくても…  ゴネて利益になるなら権利主張に名を借りてゴネてやろう…

日照などについての法的権利性が確立されるにいたって、一般市民の建設公害についての権利は、いっそう主張しやすくなっています。これをさらに助長したのが、近隣住民の同意がなければ建築確認を出さないなどの中高層条例・指導要綱の存在でした。 (現在、この種の規定はほとんどなくなりましたが、近隣住民が日照の権利を声高に訴える現場は非常に多いです)

現在はほとんどなくなりましたが、近隣対策において下記のような中高層条例・指導要綱の存在していたことを忘れてはなりません。
「近隣住民の同意がなければ建築してはならない。これに従わない建物には水道を供給しない、建築確認を出さない」
などという中高層条例・指導要綱。ここには、大きな疑問があります。同じ場所の同じ建物であっても、近隣住民に彼らが要求する金を支払わないで同意が得られなければ建築できず、金銭で近隣住民の同意をとれば建築できることになる。ここには建築行政の理念など、まったく存在しないからです。

 しかし、なぜこのような中高層条例・指導要綱がつくられたかを考えるべきです。当時、中高層建物による日照阻害に関する法的規制は何一つ存在しませんでした。立法政策の不備です。そのため、マンション業者は当時の建築基準法で許される範囲で目一杯、大きなマンションをつくろうとし、日照阻害を受ける近隣住民と紛争を起こしていたのです。
 自治体はこの問題で近隣住民の突き上げを受け、否応なく建築紛争に巻き込まれる結果になってしまいました。立法政策の不備によって「建築側と住民、法と日照被害の板挟みの苦悩」を地方自治体の行政担当者が抱え込み、結果、このような中高層条例・指導要綱をつくらせたのです。近隣問題で苦悩してきたのは、事業主の近隣担当者だけではありません。地方自洽体の行政も苦悩してきたのです。しかし、このような指導要綱ができたことによって、事業主の近隣担当者が、行政以上の苦悩を強いられたことは間違いありません。
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