近隣対応事例紹介

今まで実施してきた近隣対応の具体例を載せさせて頂きます。

「日照阻害による土地価額低下分の補償をして欲しい!」
詳細
~近隣対策・近隣対応上必要な情報を記載いたします~

「日照阻害による土地価額低下分の補償をして欲しい!」

 近隣住民側の錯覚・誤解の中で多いものの一つに、下記内容があります。
「計画建物の日照阻害によって自宅の土地価額が低下する。その低下分は当然、その原因をつくった建築主が賠償すべきである」

S氏は駐車場経営をやめて、その土地に賃貸用の六階建てのビルを建築することを計画しました。S氏からその計画の説明を受けたY氏は、S氏に対し、
「ビルを建てることによって、私の土地は完全に日影になり、その価額は著しく低下する。その低下分の補償はしてくれ」 と要求してきました。

 S氏が低下分とはいくらかと聞くと、Y氏は、「近くの不動産屋に相談したところ、今までどおりの日照が保証されるなら、 坪250万円ぐらいだが、ほとんど日照がなくなると、少なくとも2割は低下する。坪当たり50万円低下することになるが 全部で50坪であるから、2,500万円が低下分だ」と答えました。

このY氏の意見には、いくつかの錯覚があります。まず低下分を問題にする以上、その基準となる価額がなければなりません。 「日照が保証されるなら坪当たり50万円」が、低下判断の基礎となる価額だといいます。 「誰に保証されているか」と質問しても「不動産屋がいったので」としか答えられません。 実はYさんの土地の日照など誰も保証していません。保証というのであれば、Yさんの土地はむしろ日影を 保証されているということになります。

それも法律によってです。建築基準法などによりYさんの南側にあるSさんの上地は六階建てのビルを建ててよいことに なっています。六階建てのビルを建てれば、Yさんの土地は日影になりますがそれでも法律は建ててよいといっています。 したがってYさんの上地は法律によって日影を保証されているということになります。

南側隣地に建物がなかったり、あるいは低い建物だったりしたために、北側土地が日照を得ていた場合、その状態での土地価額を基準にして低下を考えるのは間違いです。また低下すれば、その原因をつくった者に、つねに賠償請求できると考えるのも間違いです。逆に、日影を多く発生させていた高い建物を壊して、駐車場経営を始めた人に「おかげ様で土地の価値が上がりました。そのお礼に金銭をお支払いします」とはなりません。逆が無い場合、その逆もありえません。

合理的な理由がないと不動産会社の内部で稟議が通りません。日影補償をしてほしいということですが、日本人が共通のルールとして守っている建築基準法の日影規制を遵守しています。この法律を逸脱しているのであれば、補償金をお支払いできるかもしれません。「日影規制を遵守しているにも関わらず金銭をお支払いする」という稟議を不動産会社の内部で通すのは不可能です。組織で動いているため、合理的な理由がないと稟議は通りません。誰かが不合理なことを声高に主張して、会社に不当な金銭を支払わせるようなことはできません。仮にそれを実施した人は大手自動車会社の外国人代表のように罪に問われます。会社に対する企業人の背任行為に当たります。

一覧へ戻る